在留資格「特定技能」を取得するには、一定の要件や基準を満たしている必要があります。

各項目ごとに確認していきましょう。

1.年齢に関するもの

日本の労働法制上、18歳未満の労働者に関し、特別の保護規定を定めていることから、特定技能外国人についても18 歳以上であることが必要です。


2.健康状態に関するもの

特定技能外国人が、特定技能に係る活動を安定的かつ継続的に行うことを確保する観点等から、外国人の健康状態が良好であることが必要です。主な確認書類としては健康診断書や受診者の申告書があります。


3.技能水準に関するもの

○ 1号特定技能外国人について、従事しようとする業務に必要な「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を有していることが試験、その他の評価方法により証明されていることが必要です。

試験その他の評価方法は特定産業分野別に定められています。

技能実習2号を良好に修了しており、従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる場合 には、技能水準について試験その他の評価方法による証明は免除されます。

技能実習2号を修了した方には,技能実習法施行前の技能実習2号を修了した技能実習生や、在留資格「技能実習」が創 設される前の「特定活動」(技能実習)を もって在留していた技能実習生(「研修」及び「特定活動」で在留した期間 が2年10か月を超えている方に限る。)も含まれます。

○ 2号特定技能外国人について、従事しようとする業務に必要な「熟練した技能」を有していることが試験その他の評価方法により証明されていることが必要です。

試験その他の評価方法は特定産業分野別に定められています。

4.日本語能力に関するもの

○1号特定技能外国人について、「ある程度の日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することを基本としつつ、特定産業分野ごとに業務上必要な日本語能力水準」を有していることが試験その他の評価方法により証明されていることが必要です。

試験その他の評価方法は特定産業分野別に定められています。

技能実習2号を良好に修了している場合は、日本語能力水準について試験その他の評価方法による証明は要しないこととされています。

技能実習2号を修了した方には、技能実習法施行前の技能実習2号を修了した技能実習生や在留資格「技能実習」が創設される前の「特定活動」(技能実習)をもって在留していた技能実習生(「研修」及び「特定活動」で在留した期間が2年10か月を超えている方に限る。)も含まれます。

5.退去強制令書の円滑な執行への協力に関するもの

入管法における退去強制令書が発付されて送還されるべき外国人について、自国民の引取り義務を履行しない等、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の外国人の受入れはできないことになっています。


6.通算在留期間に関するもの(特定技能1号のみ)

「特定技能1号」で在留できる期間は通算で5年です。その期間を超えて在留することはできません。

7.保証金の徴収・違約金契約等に関するもの

特定技能外国人又はその親族等が、保証金の徴収や財産の管理又は違約金契約を締結させられているなどの場合には、特定技能の適正な活動を阻害するものであることから、これらの保証金の徴収等に関する契約が締結されておらず、かつ、 締結される予定がないことが必要になります。


8.費用負担の合意に関するもの

外国人が入国前及び在留中に負担する費用について、その意に反して徴収されることを防止するために、外国人が負担する費用の額及び内訳を十分に理解して合意していることが必要になります。

また、費用の徴収は各国の法制に従って適法に行われることが前提となっています。


9.外国人が国籍または住所を有する国において遵守すべき手続に関するもの

外国人が、特定技能に係る活動を行うに当たり、海外に渡航して労働を行う場合の許可等、必要な手続を遵守しているこ とが必要になります。


10. 技能実習により修得等した技能等の本国への移転に関するもの(特定技能2号のみ)

技能実習の活動に従事していた方が「特定技能2号」の許可を受けようとする場合には、技能実習において修得等した技能等を本国へ移転することに意欲的であると認められることが必要です。技能実習生の受入れ機関が作成する「技能移転 に係る申告書」によって審査されることになります。


11.分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの

特定産業分野ごとの特有の事情に鑑みて個別に定める基準に適合していることが必要になります。

 

以上が特定技能外国人になるための要件、基準になります。


在留資格「特定技能」の取得についてお悩みの方は、まず要件の確認などから始めてみるのもいいかもしれません。